2003年8月 ソロクト訪問

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訪問日程

  8月7日 日本各地からプサンに集合 プサンからバスでソロクトへ
        夜半にソロクト到着
  8月8日 早朝散策(監禁室、解剖室、納骨堂等)
       午前 チャムギル20周年記念国際シンポジウム
          日本からの発言者
            徳田靖之弁護士(ハンセン病訴訟弁護団)
            川辺岬さん(水俣市・相思社)
       午後 島内見学(初期の日本の施設跡、火葬場など)
       夜  チャムギル主催のイベント、慰霊祭
  8月9日 日本植民地時代の被害者の聞き取り
        自治会長との意見交換
        プサンへ 一部はテグへ
  8月10日 帰国 一部はテグで見学(愛楽園、カトリック病院、定着村)
  8月11日 ソウルへ移動
  8月12日 一部は韓国ハンセン福祉協会見学
         西大門(ソデムン)刑務所跡見学(ハンセン病者の隔離房見学)
  8月13日 帰国


シンポジウムでの徳田靖之弁護士の発言
   (通訳:チェ弁護士 テグ)

はじめまして。
私は日本で弁護士をしております徳田と言います。
チャムギルの20周年記念行事という大切な場で発言の機会を与えられて大変光栄に思っております。
チャムギルのこの20年に及ぶ大変なすばらしい活動に、私は心から尊敬したいと思います。
同時に私は皆さん方に心から謝罪をしたいと思ってやってきました。
私たちの国は、日帝時代においてこのソロクトで残虐非道を重ねてまいりました。
そのことに対して、日本政府は、そして私たち日本の弁護士たちも、今日に至るまで何一つ謝罪をいたしておりませんし、償いをしておりません。
そのことを日本の一弁護士として心からお詫びしたいと思って滝尾さんに導かれてこちらにお邪魔しました。
あまりに遅すぎるというご批判を覚悟しながらこれから私たちがどんな風にすればこのソロクトにおける日帝の犯罪行為に対してけじめをつけさせることができるのか私たちなりの提案をさせていただきたいと思います。
日帝時代には本当に数々の残虐非道行為がソロクトに限らず行われてきました。
それらの問題が日本の国に対する裁判としてなかなか勝訴という形で結果を得られないのはひとつの大きな壁があるからです。
法律用語で「除斥期間」といいますが、違法な行為があってから20年が経過してしまうと、その被害を受けた人々が賠償を受ける権利が消えてしまうというそういう制度があります。
そのために20年以上昔の行為について日本の国を訴えるということは法律家としては大変難しいと考えてきました。
ところがひとつの方法が見つかったと私たちは考えています。
2年前に私たちは日本国内のハンセン病療養所に入所している人たちが国を訴える裁判に勝訴しました。
そのときに日本の政府はハンセン病療養所に入所していた人に対する補償法という法律を制定しました。
この法律は裁判を起こさなくてもハンセン病療養所に1日でも入所していたことのある人に対して補償金を払うという法律です。
ところがこの法律は許しがたいことにその補償法によって償いを受けることができる人の範囲を日本国内の療養所に限りました。
これは日本国憲法14条(平等条項)に反するものであり、まさに排外主義と批判されても仕方がない法律です。
しかし、この法律は実は国籍条項がありません。
原爆症のような居住地条項、日本国内に住んでいるかどうかという条項もありません。
しかもこの法律は20年以上前に、たとえば50年以上前に療養所を出た人にも適用されるようになっています。
そこで、私たちは、このソロクトで日帝時代に強制隔離された方々がこの法律に基づいて日本国政府に賠償を要求する、そういう手続きから始めたいと思います。
日本の政府はこの請求を必ず棄却すると思います。
その政府の棄却の決定を取り消すという裁判を起こすというのが、今私たちが考えている方法です。
この裁判では、ソロクトで何が行われてきたのか、それは日本国内の療養所以上の残虐非道が行われてきたということを明らかにすることになります。
その事実が証明できればこの裁判は必ず勝つことができます。
私たちは私たちの国が犯した過ちにきちんとした償いをさせるためには、裁判の場で何が行われてきたのかという事実を明らかにさせて、その上で謝罪をさせる、そのことが絶対に必要だと思っています。
このような方式で裁判を行うという提案については、実際に被害にあわれたソロクトの方々やそれを支援しておられるチャムギルのみなさんがどのようにこの提案をお考えになるのか、それを第一に尊重したいと思います。
もしこのような提案を受け入れてくださるのであれば、私たちは滝尾さんの力を貸していただきながら、日本で大きな弁護団を作り、韓国の弁護士の方と協力しながら全力でこの裁判を勝つために努力を尽くしたいと思います。
あらためて今日までこの問題に対して具体的な行動を何一つとってこなかったことを心からお詫びして私の発言とします。ありがとうございました。