楽生保留自救会・台湾人権促進会・青年楽生連盟・台湾ハンセン病友人権弁護団ほか共同声明


2005年10月25日


台湾楽生院の日本植民地時代のハンセン病回復者二十五名は、日本の「ハンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給等に関する法律(以下、ハンセン病補償法)」に基づき、2004年8月23日に日本政府に対して補償金の支給を請求しました。しかし、同年10月23日、厚生労働省によりこの請求が棄却されたため、日本のハンセン病国賠訴訟弁護団を通じて、日本政府が法の定めるところに従い、この不支給決定を取り消すことを求めて、同年12月17日に東京地方裁判所において提訴しました。

本日、東京地方裁判所は、日本政府が昨年行なった不支給処分は誤りであり、この不当な決定を取り消すよう命じました。台湾楽生院の原告二十五名、世界各国のハンセン病者、ならびに全ての支援者およびハンセン病者の人権回復をめざす団体や個人は、今回の東京地方裁判所が法の正義に照らして適切な判決を下したことに敬意を表するとともに、これまでの長きにわたる国際的な温かい真心と支援に対しても感謝の念を禁じえません。現在、我々はこの世紀を越えた判決を喜んで受け入れるとともに、日本政府に対して日本政府が法的正義や人権に照らして控訴を断念し、「ハンセン病補償法」を遵守し、台湾および韓国のハンセン病回復者に対して直ちに補償金を支給するよう、ここに要求します。

また、今回の国境を越えた裁判において、日本政府に対し「ハンセン病補償法」の遵守が国際社会から求められたという趣旨に鑑み、台湾政府に対しても、国内のハンセン病回復者対する不当な処遇を改め、当事者の意思を尊重すると同時に、これまでの差別的な政策について反省と改善をするよう求めます。台湾政府による過去の誤った隔離政策によってもたらされた、ハンセン病に対する差別や偏見については、日本統治時代から戦後初期、そして現在に至るまで、関連する政策を改めもしくは補償を行なってこなかったことは、ハンセン病回復者に対してのケアや人権の改善についての国際的な趨勢に反するものです。また、現在新荘の地下鉄整備工場建設工事のために強制移転を迫られ、強制隔離されて以来今に至るまで長年住み続けてきた家を取り壊されることは、ハンセン病回復者に対する再度の深刻な人権侵害です。さらに、ここ最近療養所内旧居住区域での医療やケアがおろそかにされている点に関しては、長年社会的に弱い立場に置かれてきた台湾のハンセン病回復者が、その消し去ることの傷跡と差別をさらに深いものにすることほかなりません。そこで、台湾政府に対しては、一切の不当な行ないを即時やめるよう、ここに要求します。

平均年齢が75歳にもなる台湾のハンセン病回復者たちが「社会的正義の実現のために、法を通じての解決をはかる」ことで、時間のかかる裁判で争うことによって、税金の無駄づかいになるばかりでなく国家の尊厳を自ら傷つけることになるのを避けて欲しい、と我々は台湾政府に対し強く要望します。今回の国境を越えた裁判にならい、ハンセン病回復者に対して、国際社会の要望に応えられるよう早急に新法を制定すべきである、ということです。すなわち、「偏見や差別を取り除く」と同時に「適切なケアを行なう」という「台湾ハンセン病回復者のケアならびに補償に関する法律」、或いは同様の効力・趣旨を有する法令の制定を求めます。国内のあらゆるハンセン病回復者(新病棟、従来の楽生院に加え退所者含め)、死者・生存者を分け隔てなく、彼らの名誉と尊厳の回復を積極的に行なうとともに、啓発活動を通じてハンセン病に対する差別をなくす努力を継続的に行なっていくこと、また、強制移転政策が長期在園のハンセン病回復者にもたらした苦しみに鑑み、かかる不当な政策を即刻改め、謝罪と賠償を行なうとともに、現在の療養所において健康に暮らす権利・居住権を認め、在園を補償することを台湾政府に要求します。



共同聲明發起團體:
樂生保留自救會、台灣人權促進會、青年樂生聯盟、台灣漢生病友人權律師團、愛滋感染者權益促進會、民間司法改革基金會、台灣同志諮詢熱線協會、外省台灣人協會、台灣性別人權協會、台灣促進和平基金會、張佛泉人權研究中心、東?大學人權學程、中央大學性/別研究室、告F陣線協會、蠻野心足生態協會、同志人權協會、?敏惠立法委員、蔡英文立法委員、沈發惠立法委員。


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