『声明書−これ以上小鹿島ハンセン者の「恨」を踏みにじるな!−』

 

さる25日、日本東京地方裁判所民事3部は日帝強占期に小鹿島更生園に強制収容された117名の韓国ハンセン者が日本政府を相手に起こした、補償を拒否した行政決定の取り消しを求めた訴訟に対して原告敗訴の決定を下した。

この判決の要点は裁判部が、“療養施設収容者が受けた偏見と差別の原因の一端が戦争前の日本の隔離政策によるものであることは否定しがたい”という原告側の主張を一部認定しつつも、“法の審議過程等で外地(外国)にある療養所収容者も補償対象であるという認識はなかった”ということだった。同日、台湾のハンセン者の訴訟が勝訴したことと相反する結果のため、多くの言論がこの問題を積極的に報道している。

チャンギル会は、基本的にこの問題が日本が韓国を差別しているという、多少は感情的な接近を警戒しつつ、次のような立場を明らかにする。

まず、今回の裁判は人類の普遍的価値である人間の尊厳性を無視したものである。来年、開園90周年を向える小鹿島更生園は、日帝強占期に数千名のハンセン者が強制収用された所である。収容されたハンセン者は、明け方から晩まで強制労役に動員され、傷や凍傷により指は切り取られ、足がだめになる場合もあり、神社の参拝を拒否した罪で強制的に精管(断種)手術を受けたこともあった。断種、堕胎、手足の切断手術は日常的に行われ、監禁室を設置し身体を強制的に拘束したり、家族にもたやすくは会えなくし、一般社会とは徹底的に断絶させる等、今まで明らかになった人権侵害行為は計り知れない程である。それにも関わらず、日本の裁判部がこのような人権侵害行為に対する補償にそっぽを向けるということは、日帝強占期に強制収容されたハンセン者の尊厳性を徹底的に無視することである。

第二に、日本政府は強占期のハンセン者に対する人権侵害行為に対し、心から謝罪し、補償しなければならない。日本の厚生労働省は「ハンセン病補償法」が日本国内のハンセン者の補償を趣旨とする法であると主張しているが、小鹿島の収容施設は日帝統治下で天皇の勅令により設立されたものであり、日本の国立ハンセン病療養所に該当する。国籍と居住地などを制限する規定のないこの法律は、施設入所者を幅広く救済するためのものであるという、台湾の判決を受け持った民事38部のように、積極的に、この法を解釈し補償することだけが、日本政府が国家の人道主義的な責任に関する国際基準を守ることになるだろう。

第三に、この裁判を拱手傍観した韓国政府は反省し、この問題の解決のために、あらゆる外交的チャンネルを動員しなければならない。結果が報道されるや、韓国の保健福祉部は今度の裁判結果に対し、遺憾の意を表し、控訴審においては公正な判決を期待するという立場を明らかにした。

これは、一言で言えば祭りが終わった後、太鼓を打つようなものである。韓国政府が、裁判の過程においてより積極的な支援を行ったならば、違う結果を引き出せたかも知れない。問題は訴訟人の平均年齢が80歳を超えていて、その中の22名は既に亡くなられたことからもわかるように、控訴審まで、また、どれくらいの人たちが、「恨」を解けずして天国に召されねばならないのか知らないということである。

特に日本の「ハンセン病補償法」が2006年6月までの時限立法であることを勘案すれば、裁判とは別に、韓国政府はあらゆる外交的手段を動員して、日本政府が積極的な姿勢で補償するように働きかけるべきである。

チャンギル会は、韓国社会がまだハンセン者に対する誤解と偏見にとらわれていた1984年から小鹿島にいるハンセン者と縁を結び今日に至っている。その期間中、私たちの社会が数十年間、彼らを徹底的に無視して来たにも関わらず、彼らは私たちの社会を既に許しているということを知って、彼らの前で頭を上げることができなかった。

しかし、侵害を被った彼らの人権は、彼らがこの地に生きておられる時に回復されなければならない。殊に、日帝強占期に強制的に隔離収容された状態での人権侵害行為に対しては、当然、日本政府は心から謝罪し補償しなければならないし、韓国政府と政界は、これを日本政府に強力に要求しなければならない。

ここに、われわれは、次のような点を要求するとともに、これを実現するための必要な行動を展開する。

 

1.ハンセン者の数十年間の「恨」を踏みにじった日本司法部は覚醒しろ!

2.日本政府は日帝強占期、強制収容した小鹿島ハンセン者に対し即刻、謝罪し補償をしろ!

3.ハンセン者の訴訟に消極的に対処した韓国政府は反省し、小鹿島ハンセン者の人権回復のために積極的に行動しろ!

4.韓国政府と政界は日本の厚生労働省が、「ハンセン病補償法」告示を見直すよう、強力に要求しろ!

5.1962年までに日本のハンセン者に対する政策を維持し、その以後にも行なわれた人権侵害行為に対し、韓国政府はハンセン者に謝罪し、賠償しろ!

6.政界は今度の定期国会で既に発議された“ハンセン者被害事件の真相究明と被害者の生活支援等に関する法律案”を、必ず制定しろ!

 

2005年10月31日

福祉社会を志向する市民の集いチャンギル会


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