要 請 書

 

厚生労働大臣  川 郎 殿

                                           2005(平成17)年11月1日

 

小鹿島更生園・台湾楽生院補償請求弁護団   代表   国 宗 直 子

 

                                要 請 の 趣 旨

 

1 東京地方裁判所民事第38部が言い渡したハンセン病補償金不支給処分の取り消しを命じた判決に対し、控訴をしないこと。

2 補償法の改正によるのではなく、告示を改正する方法により、小鹿島更生園と台湾楽 生院の入所者が補償法の支給対象となることを明確にし、早期に救済を実現すること。

 

                要 請 の 理 由

 

本年10月25日、東京地方裁判所民事38部は台湾楽生院の入所者が求めたハンセン病補償法に基づく補償金の不支給決定処分取消訴訟について、原告らの請求を認容し処分を取り消す旨の決定をし、一方、同民事3部は、小鹿島更生園の入所者の請求を棄却する決定を下した。

この決定を受けて、原告らは、2005年10月25日、同27日の2回にわたり、前任の尾辻厚生労働大臣に対し、控訴断念と告示改正による原告らの早急救済を求める要請を行い、同27日には尾辻厚生労働大臣と原告らとの面談が実現した。

同大臣は、面談の席上、原告らに対し「いろいろな方々と相談したうえで答えを出したい」としながらも、「そんなに長い時間という意味ではありません」と述べた他、28日の閣議後の記者会見においても、「大臣の今の在任中ということも念頭にあるのでしょうか。」という記者の質問に対し、「そうですね、出来ればと考えております」、原告らの帰国までに結論が「間に合えばよいとは思っております」等と述べて告示の改正も含めた検討と解決について、退任まで努力を尽くされた。

原告らの年齢は平均81歳を超えており、小鹿島更生園の入所者だけでも、補償請求後、既に21人が死亡し、本年8月から現在に至るまで3ヶ月間の死亡者は5名を数え、次期国会を待っていてはさらに死亡者が増えることは必至である。控訴による解決の遅延は生きて解決を得たいと願う原告らの悲痛な願いを踏みにじることになる。

原告らの請求を認容した民事38部の判決はもとより、同3部の判決も現行の補償法下で告示に占領下の療養所を含めて規定することは可能であるとの解釈を示している。

川崎厚生労働大臣におかれても、前任の厚生労働大臣の姿勢を引継ぎ、控訴を断念し、告示改正によって、すみやかに原告らの救済を実現するよう要請する次第である。

                                                                       以上