要 請 書

2005(平成17)年11月7日

厚生労働大臣  川 崎 二 郎  殿

 

小鹿島更生園・台湾楽生院補償請求弁護団

代表  弁護士 国 宗 直 子

 

要 請 の 趣 旨

 

 東京地方裁判所民事第38部が言渡したハンセン病補償金不支給処分の取り消しを命じた判決に関し、控訴期限である11月8日までに、川崎厚生労働大臣と同訴訟原告との直接面談の機会をつくられたい。

 

要 請 の 理 由

 

 平成17年10月25日に言い渡しのあった台湾楽生院訴訟判決についての控訴期限が11月8日に迫っている。

 原告らは厚生労働省に対し、台湾楽生院訴訟について控訴を断念するとともに、小鹿島更生園も含め、告示改正による平等な早期解決を行うよう要望してきたところである。

 しかるに、一部報道機関では、厚生労働省は、控訴を断念すれば、台湾の入所者にハンセン病補償法に基づき、最低800万円の補償金を支払うことになり、補償金額につき検討の余地がなくなる等との理由から、控訴をした上で和解を目指す方針である等と報道されている。

 台湾楽生院訴訟、小鹿島更生園訴訟の原告らの年齢は平均81歳を超えており、補償請求後、既に21人が死亡し、本年8月から現在に至るまで3ヶ月間の死亡者は5名を数えている。控訴したうえで、和解あるいは新たな補償立法を検討するという枠組みでは、解決が大幅に遅延し、生きて解決を得たいと願う原告らの悲痛な願いを踏みにじることになる。原告らは、わが国の隔離政策の被害者として、国内のハンセン病患者と同等もしくはそれ以上に過酷な被害を受けてきたものであり、補償金額に格差を設けることは新たな差別を生むことになり許されない。控訴を断念し、告示改正によるすみやかな平等補償を行うべきである。

 原告らは、判決翌日の10月27日、尾辻前厚生労働大臣と面談し早期解決に積極的な同大臣の発言に希望を託して帰国したが、控訴方針という報道に接し、深く落胆している。そこで、新厚生労働大臣に直接面談することを切に希望し、台湾から高齢を押して本日再び来日することとなった。ことの重大性に鑑みれば、新大臣自ら原告に面談してその実情等を聴取したうえで、厚生労働省としての判断を下すべきである。

 よって、要請の趣旨記載のとおり要請する次第である。           

以上