声  明

 

                                    2005(平成17)年11月8日

 

小鹿島更生園・台湾楽生院補償請求弁護団 代表 国 宗 直 子

 

 

 本日、政府は、閣議後の会見において、東京地方裁判所民事第38部が言渡したハンセン病補償金不支給処分の取り消しを命じた判決について控訴する方針を明かにした。

 控訴は、生きて解決を得たいと願う原告らの悲痛な願いを踏みにじるもので不当という他はない。我々は深い憤りを持ってここに抗議する。

 政府は「訴訟について控訴することとは別に、国外の療養所の元入所者に対する適正な補償のあり方について、速やかに検討することとしたい」としているが、原告らの平均年齢は81歳を越え、今年7月19日の小鹿島更生園に関する訴訟の結審から現在までのわずか3ヶ月の間に5人が亡くなっている。原告らには、控訴審の判断を待つ時間はない。原告らの請求を認容した民事38部の判決はもとより、同3部の判決も現行の補償法下で告示に占領下の療養所を含めて規定することは可能であるとの解釈を示しているのであるから、適正な補償をするというのであれば、控訴を断念したうえで告示を改正するというより現実的な方法により、解決を急ぐべきであった。

 閣議後の会見において、政府は国内の療養所の入所者と補償金額に差をもうけることについて明確には否定していないが、原告らはわが国の隔離政策の被害者としてわが国のハンセン病患者と同等もしくはそれ以上に過酷な被害を受けてきたものであり、日本国内の療養所の入所者と補償金額の格差をつけることは、平等原則上許されない。

 また、小鹿島更生園・台湾楽生院以外の占領地の療養所入所者に関する補償の検討の必要性にも言及されているが、既に被害実態が明らかになっている2園についての救済を遅らせる理由とはなりえない。

 我々は、原告らの早期の平等補償を勝ち取るまで全力で闘う決意である。

 政府が真に早期解決をめざすというのであれば、その具体的な方策について、原告・弁護団との協議の場をすみやかに設けるべきである。

 本日、政府が控訴を選択しながらも、新法制定等による補償方針を打ち出さざるを得なかったのは、我々の活動に対する国内外の多くの方々のご支援によるものである。引き続きのご支援を賜りたい。