パネルディスカッション


〜ハンセン病問題の解決を目指す国際会議〜



2009年5月10日(日) 午後2時〜午後5時
国立ハンセン病療養所星塚敬愛園 交流会館

<報告およびパネルディスカッション>
※同時通訳あり!※

各国におけるハンセン病問題の現状と課題について
〜韓国、台湾、日本の各国弁護団より

今また新たな一歩を                
 ハンセン病問題の全面解決をめざす国際宣言

200510月の、東京地裁でのソロクトと楽生院入所経験者による補償請求裁判の判決10時のソロクト敗訴「不当判決」の報せで静まりかえった法廷前が30分後の「勝訴」の旗で沸き返りました。この感動を受けた回復者、支援者、弁護団らの幅広い協働は、海を越えて、日韓台三国の人々との国際連携につながり、強力な連帯の力によって、日本支配時代の外国の療養所も支給対象とするように補償法を変えさせるという画期的な解決を勝ち取りました。

この動きは法廷の中に止まらず、各国において、それぞれ特別法を制定するなどハンセン病問題の解決に向けた動きが始まっています。そこで、本企画では、韓国、台湾、日本、それぞれの国から現状を報告していただき、解決への道筋を探り、改めて差別や偏見を乗り越えるための国際連帯を確認したいと思います。

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今また新たな一歩を
 ハンセン病問題の全面解決をめざす国際宣言

 その病ごと社会から隔離され、忌むべきものとされて、療養所の中で、あるいは社会の片隅で、亡き者のごとく息を潜めて生きてきた日本のハンセン病回復者らが、人権を叫んで立ち上がってから、10年あまりが経過した。
 この間、2001年5月の熊本地裁判決、日本植民地時代における韓国及び台湾の隔離被害者らによる補償請求訴訟のたたかいとその画期的な解決、そしてこれらをめぐる各地でのさまざまな取り組みの中で、ハンセン病回復者らがこうむった甚大なる被害の一端が明らかにされてきた。
 それら回復者らによって語られた被害は、多くの市民の心を動かし、未だに社会の隅々にまで差別偏見を宿している現実を直視させ、その声がおのおのの国をも動かして、日本、韓国及び台湾の3国においては、それぞれハンセン病問題の解決を目指す特別法が制定されるに至った。
 しかし、問題のすべてが解決したわけではない。
 顔を上げて語り、人間としての誇りを取り戻すことができた回復者らがいる一方で、未だに名乗ることができず、家族やふるさととのつながりを絶たれ、沈黙を強いられている者らがいる。今なお多くの回復者らが生活する療養所は、入所者の高齢化と数の減少により、豊かな生活の場であることがいっそう困難になっている。また、療養所の外で暮らす退所者の多くは、現在も経済的・精神的な苦難にさらされている。
 昨年、100万筆もの署名に支えられて誕生した日本のハンセン病基本法は、これらの問題解決に一つの方向性を示すものだが、これを実のあるものとするために残された課題は大きい。韓国と台湾の特別法も、まだまだ多くの問題を抱えている。
 他方で、私たちはこの10年あまりの間に得がたい絆を得ることができた。
 強制隔離政策の開始から100年目を迎える今年、私たちはここ、熊本訴訟が産声を上げた鹿屋の地に集い、各国におけるハンセン病問題について検証した。その結果を踏まえて、今後も互いに協力し、ハンセン病問題に限らず、差別偏見のない世界の構築に向けて、新たな一歩を踏み出すことを、ここに改めて宣言するものである。